4度の破産から這い上がった逆転投資 – ジェシー・リバモアの投資手法と格言 – 株式投資

    ジェシー・リバモアは、壮絶な人生を歩んだ投資家として知られています。
    リスクの高い大胆なトレーディングによって、巨額の利益を上げ、大恐慌の引き金になったとも言われています。

    ジェシー・リバモアは、「破産を4回も繰り返すが、破産から再び富を築くことに成功している人物」です。
    そして、「世界大恐慌を引き起こすきっかけとなった『暗黒の木曜日』を予想して空売りを行い、1億ドル近くの利益を上げたこと」は伝説になっています。

    そして、幾度もの破産から復活して大勝利を収めたものの、最後はピストル自殺で人生を終えるという、壮絶な終幕で人生を終えます。

    今なお、ジェシー・リバモアの「ドラマティックな生涯」と、「投資に対する考え方」はトレーダーたちに多大な影響を与えています。

    本記事では、ジェシー・リバモアの投資手法や経歴、彼が遺した名言などについて、詳しく紹介していきます。

    目次

    ジェシー・リバモアの生涯​

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    出典:The Duomo Initiative

    貧しい移民の子

    ジェシー・リバモアはマサチューセッツ州で貧しい移民の家庭に生まれました。
    そして、農業を継がせようとした父に反発し、14歳で家を飛び出します。

    家を飛び出した後は、ボストンの株仲買店の小僧となります。
    15歳の時には、差金決済取引の原型となる「バケット・ショップ」で勝ち続けました。

    投機家としての才能を開花させていきました。

    半年で破産する

    ジェシー・リバモアが20歳の頃、ニューヨーク証券取引所で実際に株式投資を始めます。
    しかし、わずか半年程度で破産しています。

    すぐに復活し、1901年の強気の相場に乗り、5万ドル(約20億円)の資産を作りました。

    ですが、5年後の1906年には、空売りに失敗し2度目の破産します。

    復活して億万長者になる

    1906年には、サンフランシスコ地震が起こります。
    その前日にジェシー・リバモアは、ユニオンパシフィック鉄道において、大規模なショートポジションを取り、25万ドルの利益を上げました。

    1907年には100万ドルの資産を作ります。

    不死鳥のごとく蘇る

    その後は、コットン市場に参入します。
    しかし、買い占めに失敗し、1915年には3度目の破産を経験します。

    それでも、ジェシー・リバモアは不死鳥のごとく蘇ります。

    1929年の「暗黒の木曜日」を予想して、空売りを仕掛けます。

    大量のショートポジションによって利益を上げます。
    更に、その翌日には大暴落した市場で株を買い戻します。
    結果的に、1億ドル(約4000億円)以上の利益をあげました。

    そのような実績から、「ウォール街のグレートベア」と呼ばれるようになりました。

    破産・復活・結婚・離婚の繰り返し

    しかし、1934年には4度目の破産を経験します。

    ジェシー・リバモアの生涯は「破産・復活・結婚・離婚」の繰り返しです。

    人生で実に、3回の結婚を経験しています。
    金と女性に翻弄され続けた人生ともいえます。

    1939年には、ファイナンシャルアドバイザリーのビジネスを開始し、テクニカル分析システムを販売しました。

    その頃、息子であるジェシー・ジュニアから本を書くよう提案され、「リバモア流投機術」を出版します。

    しかし、当時は第二次世界大戦の中。
    株式投資への人々の関心度は低く、あまり売れなかったようです。

    1940年、ジェシー・リバモアはピストル自殺して、この壮絶な人生を終えました。

    ジェシー・リバモアの投資手法と実績

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    ジェシー・リバモアの投資手法について解説します。

    スキャルピング 超短期売買取引

    ジェシー・リバモアの投資手法は、時代に合わせて変わっていきます。

    初期の手法はスキャルピングと呼ばれる超短期売買取引です。

    ジェシー・リバモアは、バケットショップというマーケット外の賭博に似た取引を行います。
    そこで、1,000ドルの資金を作ったことが投資家としての始まりでした。

    しかし半年足らずで大失敗し、1度目の破産をしています。

    トレンドフォロー型

    ジェシー・リバモアは1度目の破産後、スキャルピングで再起を図ります。
    しかし、徐々にトレンドフォロー型のトレードスタイルに変えていきました。

    ・ 株価が上昇したら買い、下落したら売りをしかけるスタンダードな順張り手法
    ・ 明確な形が来るまでエントリーは控え、ここぞというときに仕掛ける
    ・ 相場全体や銘柄のどちらについてもトレンドを確認する

    という、至極真っ当なトレードに対する考えを持っています。

    「相場が一つの方に向かいすぎている」と判断すれば、恐れず逆張りする胆力も持ち合わせており、空売りをして利益を上げたことが知られています。

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    ジェシー・リバモアの投資の格言

    ここからはジェシー・リバモア氏の格言を紹介します。

    • 毎日あるいは毎週投機をしても成功することはできないし、そもそもやるべきトレードは年にたったの数回、おそらく4、5回しかないということである。
      トレードをしていない間は、マーケットが始動して次の大きな動きが現れるまで静観するのだ。


       出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』

      本当にトレードをするべき機会はごく少ないという事が繰り返し説いています。
      そして、常にトレードをするべきという概念に駆られた人々や、冷静さを欠いた人々の過ちから、恩恵を受けることができると述べれています。

    • 上昇株を購入し、下降株を売る。

    • 内部情報に用心しろ!すべての内部情報に


       出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』
    • とにかく過ちを認め、過ちから教訓を得る努力をしよう。
      われわれは皆、自分が誤ればそれに気づく。
      投機家の誤りはマーケットが教えてくれる。損が出ているからだ。


       出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』

      人は誰でも過ちを起こします。過ちに気付き、それを受け入れることが重要です。
      もしも自らの判断の誤りに気づいたら、損を出しても全てを手仕舞い、損を受け入れ、原因を付き止め、記録することが重要だと述べられています。
      そして、次の大きなチャンスを待ち、長期的な視点で利益を出すことが重要だと説いています。

    ジェシー・リバモアを詳しく知る方法​

    ジェシー・リバモア氏について更に深く知るための書籍を紹介します。

    リバモア流投機術

    リバモア氏が亡くなる1940年に、自身の手で書かれた唯一の書籍です。
    リバモア氏の投資手法や相場哲学、リスク管理手法が記されています。

    世紀の相場師 ジェシー・リバモア

    リバモア氏の生涯を描いた書籍です。
    彼の人生からは、投資哲学だけでなく、人生哲学も考えさせられることでしょう。

    まとめ​

    ジェシー・リバモアは、ウォーレン・バフェット氏のように、企業の成長に投資するようなスタイルの投資家ではありません。

    相場に勝つことが目的であって、投資家というよりは投機家の側面が強い人でした。

    果敢に相場に挑戦し、勝利と敗北を繰り返したジェシー・リバモア。

    今なお、多くの人々が、その生き様に魅きつけられています。

    また、壮絶な人生とは対象的に、ジェシー・リバモアの投資手法は、現代にも通じるスタンダードな教えです。
    これが、今なお人気が高い理由だといえます。

    参考資料

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